2019年1月27日日曜日

大學堂寄席

落語家ってーと、神田松之丞さんですかい?いやこの人は講談家でっしゃろ。
今日の寄席は「響亭(きょうてい)ぼいすまん」さんと「顧見亭小客(かえりみていこかく)」さん。
寄席のまえに、ぼいすまんさんのお酒の紹介。お酒が次から次へと紹介されるたんびに、「おお~」という歓声が。準備をしている間に、お客さんたちはさっそくお猪口でお酒を味わう。どれ、あっしも一杯。おとととと、j君溢れてまうがな。もう酔っとるとちゃいますか。酒の一滴は血の一滴といいますんで、あ、ぐいっと。う~ん、これが五臓六腑に染みわたる、てやつですかい。あっしにゃまだまだ、おいしさがよーわかりまへん。てんてこてんと、お囃子が聞こえてきましたな。どれどれ、見物さしてもらいまひょ。
響亭ぼいすまんはんは、あれですな。丁寧な方でいらっしゃって、噺のまえに言葉の説明されたり、途中から見物にやってきたお客さんにも気ぃ遣うお方で、ほんまにお客さんを大事にされてる方っちゅうのが伝わってきますな。
顧見亭小客はんは芝居がお上手。「親子酒」っちゅう噺のときの酔いどれ親子はほんまに酔っとるように見えましたな。うなぎをつかむときは、あっしにゃたしかに、紫川の主が見えましたで。機会があればまたお二人の噺が聞きてえだす。お二人みたいにうまく話ができれば、あっしもちったあ自信が持てるっちゅうもんですわ。
寄席が終わると、みなさん片手にお寿司、片手にお酒で楽しそうにお話しとります。着替えを終えたお二人も食事に加わって、大盛り上がり。
おや。こちらの高橋優さんみたいな御仁はどちらのお方で?ふむふむ。ほお。ヒフミンさんっちゅうんですかい。柔らかい天パのお方。天パに悪い奴ぁいないってあっしのじじさまも言うとったさかい、このお方もきっといいお方でっしゃろ。ヒフミンの兄貴はええー!ほおー!と反応がべらぼうにイイお方。こりゃ話相手はさぞかし良い気分になるでしょうな~。
ひじきとよばれるお方もいらっしゃるようで、聞くところによると、なんでも女流棋士っちゅうのに加えてあっしの学科の先輩にあたる御仁。いやあ~おみそれいたしやした。途中からヒフミン兄貴の会社の上司の方も宴に加わって、何人かのお客さんが帰りはった頃、ヒフミンの兄貴とひじきの姉御の対局が始まりやした。丁か半かってちゃいますな。将ですな。3分も持たねえ、見るまでもねえ、と言われてるけど、ここは一発、大きな花火打ち上げてくだせえ兄貴!そういくか、もう攻めちまえ、と野次が飛ぶなか、兄貴は20分耐えた。大健闘でっせ兄貴い。
皆ちょうどいいくらいに酔いまして、お寿司とおでんで腹もふくれまして、ささ、そろそろお開きですかな・・・?あっしもご飯は満足するほど食べやしたが、まだまだお酒には弱い・・・なにしろ、齢(よわい)十八なもんでってやかましわ!山田くーん!座布団全部持ってって~!

2019年1月20日日曜日

酒蔵コンサート 1/19

今日はいつもより暖かい。こんな日は、チョコレートを少しかじりながら、レモンティーで体を温めたい。そう思った俺は、この酒蔵に足を運んだ。たぶん、そう思わなくてもフラフラぁ~っとここに来ているだろう。
時計の針の背すじがピンとする頃、ぼくは酒蔵の火鉢の近くに腰掛けていた。先週は女子学生が一人来たらしい。人関かな?人関だといいな。今週は誰が来てくれるんだろうな。俺はここでしか人関の人と話さないから誰か来てほしいな。
まだかな。
まだかな。
あ、誰だろ…なんだ犬の散歩かい。
時計の針が深々と礼をする。
まだかな。
だれも来ないな。
…おいっ!ジンカン!この際ヒブンでもいいから誰か来いよ!俺の知る限り今まで人関で来た人片手で数えられる程度だわ!男子は全く来ない!ちくしょう寂しいなおい。
もんもんとした俺は一番小さいチョコレートを1つ残し、他は全て食べた。岩田さんと自転車の今後について話した。お金貯めて修理代にするんでもうちょっとだけ置いておいてください。
結局、首をながあくして待てど暮らせど客は他に誰一人来なかった。ツイッターとかインスタで宣伝すれば学生はタダだってのになあ…

コンサートは少し遅れて始まった。何度もこのコンサートに来ていると、「お前、優しい芸術。…」とか「切るなら刺します。…」とか、曲の前に朗読される詩をちょっとずつ、覚える。へへへへ。こういう言い回しをレポートでいつか使えたらいいなあ。今日はいつもとは数曲違う曲だった気がする。「盲目の少年」とか初めて聞いたもんなあ。ほかにも、やけに愛情を唄う詩だなあと思っていたら、「これ、ストーカーの詩だからね。」だそうだ。皆さん、ショパンやシューベルトにかかればストーカーだって芸術になってしまいます。おそるべし。
曲の途中で、クラシュラ・スサーナという女性の話をした。日本語が話せるわけではないらしいが、CDでその歌声を聞いてみると、日本人だと思ってしまうほど日本語が上手い。少し低く、しっとりとしたその声は艶っぽく、優しい。誰に近いかな。「少女A」を歌う中森明菜…う~ん違うな。「喝采」を歌うちあきなおみ?…いややっぱり違うな。…そうだ!「時には母のない子のように」を歌うカルメンマキという感じかな。これがいちばんしっくりくる。CDを貸してくれるというので、家に帰ったら寝ながら聴こうかな。

コンサートが終わると、いつもの皿うどんのお店へ。このお店の主人は年末、体調を崩してしまったそうだから、会うのは久しぶりだ。少し重い扉を開けると、以前のにこにこした主人だった。安心した。大きい皿うどんをかきこむ俺の横で、岩田さんと皿うどんの主人は談笑する。
皿)「○○を最近見ないね」
岩)「忙しいんやろか」
皿)「いやこれじゃないかな(小指をたてる)」
皿&岩)「あ~~はっは!!(大爆笑)」
皿うどんの主人はすっかり出来上がっていた。8時頃から一人で飲んでいたらしい。なるほど。岩田さんもビールとウォッカを飲んで負けないぐらい上機嫌になっている。二人からは、かつての門司港駅の様子を聞いた。「博多駅より立派だった」とか、「バスが何十台も並んでいた」とか。今の駅を見て「すげえなあ」と思っていたけど、これよりすごいかったのか。すげえなあ。

岩田さんは何度も「もうちょっとだけ」といいながらウォッカを飲んでいたが、俺が皿うどんを平らげ、5分ぐらいしたら「そろそろ帰ろうかい」と言った。店の主人にごちそうさまでしたというと、俺たちは店を出た。ぽつりぽつりと雨がふっていた。今日、岩田さんからはCDと、あと本も借りた。「音楽の光と翳」という本。著者は97歳ぐらいまでずっと音楽への批評を行っていたらしいが、岩田さん曰く「音楽に詳しくない人にも簡単に理解できるぐらい、これほど分かりやすく批評をする人は後にも先にもいない」らしい。「批評が文学になっている」とも言っていた。いい本を借りた。帰りの電車の中でよもうかな。赤紫色のジャンパーが、その濃さを増していた。

2019年1月18日金曜日

ノトとノロ プロローグ

誰もいないゼミ室で、圧縮袋の中に服を乱暴に詰めこむ。丸めてプシュフウ~とやる気のない音をたてると、袋はばあちゃんの筋張った手の甲みたいにクシャクシャに縮まった。縮まったっていってもリュックサックにやっと入るかなというレベル。もうちょっとがんばってくれよ。高校3年間の付き合いだろう。結局袋2つとモコから借りた寝袋でリュックは満腹になり、気持ちよさそうに床に寝っ転がった。しかたないので、いつも使うカバンにさっき買った銀マットを入れると、入るどころかカンペキにカバンからはみだしてしまった。おい銀マット。やってくれたなあ!おっとそろそろマイケルとの楽しい英語。荷物をそのままに、ファイルと筆入れだけ持って俺は教室に向かった。
授業を受けている中で、数人からカバンが無いことをツッこまれたが、いちいち説明するのも面倒だし、そもそもそんなに仲良くないはずなのになんなんだろうコイツって思ったから適当にあしらった。今日はちょっと早く終わってくれないかなあとか考えていると、ラッキーなことに早く終わってくれた。心の中で「ナイス田中先生」と感謝し、同時に「基礎演習サボってゴメンネ」と謝罪をした。友人の一人に金沢へ行くことを告げ、ゼミ室へ向かった。時計の針が軽い礼をしていた。


《風呂のお湯が溜まりそうだから、とりあえず、今日はここまで。おやすみなさい💤》