誰もいないゼミ室で、圧縮袋の中に服を乱暴に詰めこむ。丸めてプシュフウ~とやる気のない音をたてると、袋はばあちゃんの筋張った手の甲みたいにクシャクシャに縮まった。縮まったっていってもリュックサックにやっと入るかなというレベル。もうちょっとがんばってくれよ。高校3年間の付き合いだろう。結局袋2つとモコから借りた寝袋でリュックは満腹になり、気持ちよさそうに床に寝っ転がった。しかたないので、いつも使うカバンにさっき買った銀マットを入れると、入るどころかカンペキにカバンからはみだしてしまった。おい銀マット。やってくれたなあ!おっとそろそろマイケルとの楽しい英語。荷物をそのままに、ファイルと筆入れだけ持って俺は教室に向かった。
授業を受けている中で、数人からカバンが無いことをツッこまれたが、いちいち説明するのも面倒だし、そもそもそんなに仲良くないはずなのになんなんだろうコイツって思ったから適当にあしらった。今日はちょっと早く終わってくれないかなあとか考えていると、ラッキーなことに早く終わってくれた。心の中で「ナイス田中先生」と感謝し、同時に「基礎演習サボってゴメンネ」と謝罪をした。友人の一人に金沢へ行くことを告げ、ゼミ室へ向かった。時計の針が軽い礼をしていた。
《風呂のお湯が溜まりそうだから、とりあえず、今日はここまで。おやすみなさい💤》
0 件のコメント:
コメントを投稿