"センベロ”という言葉がある。
新しい広辞苑に載っているかどうかは寡聞にして知らないが、1,000円払えば、ベロベロに酔える良心的な値段設定のお店を指す言葉だ。
そんな言葉を思い出したのは、溝上酒造の蔵開きに向うシャトルバスの中だ。大蔵バス停のすぐそばにある、大蔵市民センタ―から溝上酒造まで20分間隔でピストン輸送してくれる。座席に設置してある案内で蔵開きの予習をする。100円のお猪口と500円6枚つづりのチケットを買うと好きなお酒が飲めるらしい。ただし、チケットで試飲できるお酒は9種類。チケットひとつづりでは全部飲めないから、2つづりとお猪口1つで1100円。それだけ払えば、無料試飲も含めて、一日中、好きなだけお酒が飲める。
まさにセンベロだ。
一般的にセンベロで飲めるお酒は、人が飲める最低限のお酒であることが多いが、このセンベロでは、純米大吟醸も飲める。
私が到着したのは、ラスト30分くらいで、かなりハイピッチで飲まないと全部を味見することが出来ない。次々と味を確認しつつ、販売コーナーのいぼりとハデピに何を買うべきか相談する。鑑評会レベルのお酒は試飲させてくれないから、ふたりの情報が頼り。
春らしい日和で、人々はそれぞれ座り込んでお酒を飲んでいる。適当なつまみとおいしいお酒があれば、日本人は地べたに座ってお酒を飲みだす。城島の酒蔵祭りでも見た光景。ここに桜の木があれば、まさに花見だろうけれど、桜には早いし、たぶん、ここに座っている人たちは、桜があるかどうか気にしていない。
おつまみは、豚バラや牛タンの串焼き、天然酵母パン、ししゃもの炭火焼、海老天ぷら、から揚げ、酒粕ケーキなどなど。
無料試飲コーナーで会った陽気な男性は朝からずっと飲んでると言ってご機嫌だった。いかにも社交的な女性は明日も来たいけど仕事だー!と言いながら、絞りたてのお酒をくいっと飲み干していた。無料試飲担当の湯川は、朝からお酒をつぎまくって「もうヤバいです」。
帰りのバスで同乗したグループに小学校と中学校のALTの先生がいた。サケはラムとかヴォッカと違って喉に優しいから飲み過ぎるね、と笑っていた。スクールカウンセラーは全くだと同意しながら、学校では見せられない姿ですねと首をすくめて笑い合った。
この最強のセンベロ、明日まで開催中!午前中から行って、一日楽しむのがおすすめ。
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