2019年11月26日火曜日

金色の回転エナジー


鍵は「回転」だ。回転のエネルギーだ。

私はアルパカの車に乗り、膝の上で昼に食べる鍋を抱えて田んぼに向かった。数分で目的地に到着できる。この数分を得られたのは、タイヤが高速で回転し、物体(私・車体)を運んだからだ(摩擦の力も借りながら)。二足歩行ではなし得ない。このとき、およそ午前930分頃であった。

すでに、ある程度の稲が刈られていた。横たわっていた稲は、きらりと輝く刃を覗かせる脱穀器に有無を言わさず押し当てられる。回転する刃に身を委ね、一瞬でその黒髪を奪われる。これの繰り返しである。

脱穀器の足元に積みあがった黒米は唐箕へと運ばれる。黒米の中に混ざっている草やゴミを徹底的に排除するのだ。グリップを回すと、中の板が回転し、風を起こす。その風に耐えられない軟弱な余所者を排除するのである。

お昼時になり、ご飯を食べる。朝ゼミ室から運んだ鍋やみかん、おにぎり。体を動かした後にのむお茶が最高である。

午後から作業再開。いつの間にか、脱穀器は二つになっている。作業スピードが少しずつ上がる。人の動きも活発になる。次から次へ、人が動く。機械も動く。このとき、午後3時頃であった。日も傾いている。

 回転が生む力。人間が手足で行おうとすると、とてつもない時間と労力がかかることを、ほんの一瞬で終わらせることができる力。全身を駆け巡る血液の回転(循環の方がふさわしいだろうか)から、太陽を軸とした惑星の回転(実際にその様子を俯瞰したことはないが)まで、我々の内側と外側から目に見えない力を放ち続けている。

2019年11月15日金曜日

海辺のアートギャラリー

昨日、さむさむのなかつくりました。1ヶ月間見ることができます


4大学と門司港美術工芸研究所が海、港、水辺などをテーマにアート作品を設置。西海岸に新たなアートスポットが誕生。
【 協力大学 】
北九州市立大学、大分県立芸術文化短期大学、西日本工業大学、京都造形芸術大学

・日程:2019年11月16日(土)-12月16日
・時間:屋外常設
・会場:西海岸通り海辺のアートギャラリー 




2019年11月11日月曜日

スピンオフ

日本で一番みかんが美味しいところに行ったよ。
みかんに詳しくなったよ

朝4:30の海でとれるのは

伊勢海老。これは伝わりづらいのだけれど、1.4kg。普通の大きさの約3倍はあるよ

朝6時の岬。昔ここはクジラを見つけるところだって、この近くに小屋もあったらしい。

ラブラブビーガンカップル。dolphinの愛護団体の人で、イギリスから来たんだって。2ヶ月くらいお仕事休んで。うどんが好き、って言ってたから、うどんのトッピングの白かピンクのやつ(KAMABOKO)は魚のすり身だよ、って教えてあげた。ビーガンの人が間違えて動物の何か多べっちゃたらどうなるんだろ。


ちょーかっこいい道で撮った🐳JAYポーズ。
A rolling stone gathers no moss.

はい、映え〜
ボリーなんか可愛くない?

Trick or treat!!!!
お菓子をくれない子供達に大人たちがいたづらしたよ

これはずーと見とける

きのこ!!!!早く会いたくてたまらないよ。大好き!

この髪色になりたい

竪琴と魂と週末と


最近、映画「ジョーカー」が話題である。バットマンの宿敵、ジョーカーの誕生を描いた映画だ。実は本編が見たく見たくてたまらないのであるが、なかなか身に行けないので、仕方がないので、予告編ばかりを見ている。他にも、「マチネの終わりに」とかも見たいのだ。予告編で流れる音楽がたまらなく好きである。映画の予告編の音楽とはよくできたものだなあとつくづく感じる。それの影響か、I氏からもらっているCDを少しずつ聞いている。ピアノソナタ、バイオリンソナタ…一日中流しっぱなしできるほど、大量にある。

電子音の技術も見上げたものだが、生きた声の良さは、生きた声で聴いてこそ、生きた声のものとして聞こえるのだと思う。そんなわけで、通いつめているのである。この日は、J氏とその友人も来ていた。くわえて、Y氏も来ていた。Y氏はI氏の長い友人であり、クリスチャンであり、声楽好きである。聞く側として、歌にも曲にも詳しいので、歌う側のI氏とは違った意見が聞けるのだ。

歌も終盤にさしかかり、一度休憩を挟んだ。ミカンとお茶を嗜んでいると、Y氏から、「上田君はどの曲が好き?」と聞かれた。少し考えて、「オルフェオ…竪琴弾きの歌が好きです」と答えた。すると少し驚いたような顔をして、「渋いわね。10代であの歌が好きっていう人、なかなかいないわよ」と言って、嬉しそうであった。俺はその曲の音が好きなのは確かであるが、曲の物語がなにより好きなのだ。



主人公のオルフェオは、竪琴弾きである。愛する女性を娶り、幸せに暮らしていた。しかしある時、妻は命を落としてしまう。悲しみに暮れるオルフェオは、冥界まで出向き、冥界の番人に妻の魂を返してくれと嘆願する。もちろん、そのような魂の流れを乱すような行為は許されない。そこでオルフェオは番人に向かって竪琴を弾いた。オルフェオの才能溢れる演奏に心うたれた番人は、特別に、一つ条件をつけて妻の魂を返すことにした。

その条件とは、「現世に帰るまでの道中、決して妻の方を振り向かぬこと」であった。オルフェオは決して振り向かぬと誓い、妻の手をとり、現世まで帰ることにした。帰りながら、妻から「あなたの顔が見たい。こっちを向いて」「どうして私を見つめてくれないの。本当は私を愛していないの」と、いわば誘惑の言葉を投げかけられる。それでも決してオルフェオは振り向かない。本当は振り向いて強く抱きしめたいだろうに、その気持ちを必死に我慢して押し殺して、妻の手を引いていく…

最後のゆったりとした音が描くのは、水がやわらかく流れる川の中に、竪琴だけがゆうらりと浮かんでいる様子だ。

短いが、たまらなく好きな物語である。



Y氏は「リターナイ:万霊節」という曲が好きなようだ(英語表記:Litany)。「連祷(れんとう)」ともいう曲らしい。連祷とは、キリスト今日の祈りの形の一つで、聖歌隊が歌い交わす儀式らしい。聞いてみると、曲に激しい緩急や転調はなく、陽の光を全身に吸収した毛布でくるまれたような心地になる曲だった。詩は「すべての魂よ、憩え」という言葉を繰り返し、病気や貧困、事故、戦争、処刑、友人の裏切り、自殺…様々な理由でこの世から去っていった魂に向けられた曲だった。Y氏は「シューベルトの優しさが詰まってる」と絶賛し、感動していた。



翌日、俺はヤケンメンバーと共に再び門司港に向かい、アートギャラリー作品の作成を手伝っていた。すると、I氏が声をかけてくれて、山吹というお店の天ぷらを差し入れてくれた。朝、バナナしか食べることができなかった俺は、天ぷらの甘みと食感が最高に幸せに感じた。午後を過ぎてから、Y氏も来てくれた。Y氏は、俺たちが竹細工か何かをマルシェで販売しているのかと思っていたようで、ドームと五右衛門風呂の組み合わせをみて驚いていた。他の学校の作品もありますよというと、楽しそうに探しに行った。

I氏のもとに通いつめていなければY氏と会うこともなかったんだろうなあと考えると、出会いとは、不思議なものだなと呆然とした感覚になる。

2019年11月8日金曜日

アダンサミット2019 in 海洋博記念公園11/23-24

ここまで紆余曲折ありましたが、沖縄海洋博記念公園でのアダンサミット2019。予定通り 11/23-24 開催します!

 

はるばるバヌアツ共和国のフツナ島から4名のエキスパートが来日し、太平洋のアダン文化を伝えてくれます。 広報がぎりぎりになり申し訳ありません。興味のある方にどんどん拡散して下さい。

2019年11月5日火曜日

2019年和歌山県太地町、研究会と視察


太地町視察報告 大津留香織(社会システム研究科研究員)

30日、新門司港を出発する。
31日、朝6時に泉大津に到着、5時間半かけて和歌山県の太地町へ向かう。11時半にJR太地駅に到着し、研究協力者ジェイ・アラバスター氏と合流する。スケジュールの確認や打ち合わせをする。

1日、朝4時半から漁協周辺を視察。鯨漁・イルカ漁をおこなう「いさな組合」の集まりには、アラバスター氏のみ参加をゆるされている。その間、視察組は伊勢海老漁の水揚げ現場を視察。いさな組合が漁へ出たのち、船の動きを見るために燈明崎へ向かう。燈明崎はかつて、鯨を発見したり、船の動きに指示を出したりするために活用された、断崖絶壁の切っ先にある場所であり、太地周辺の海を見渡すことができる。現在各船はトランシーバーを搭載しており、この場所から指示を必要とすることはない。イルカ漁の船は、水平線の向こう側まで広がり、イルカの群れを発見次第、音を鳴らして連携を取りつつ岸へ追い込む追い込み漁の形をとる。

この場所は、現在では反捕鯨団体に関連する映画にも出てくる有名な場所となった。今回の視察中には、イギリスロンドン出身の、ふたりの反捕鯨団体の活動家と会うことができた。彼らは毎朝やってきて、カメラを構えて船の動きを追い、イルカ漁の現状をSNSで発信する。彼らはデイブとモリーという名の若い男女で、ドルフィン・プロジェクトという団体から交代で派遣されたらしい。自らをビーガンだといい、工場ような場所で育てられた動物を食べたくないという。動物が奴隷のように扱われるのもよくないという。

彼らは海を見ながら、遠くの船に高級一眼カメラの望遠レンズを向ける。カメラは団体からの支給で、交代の度に引き継がれる。彼らの様子を遠巻きに見守るのが、和歌山県警から派遣された警察官たちである。警察官たちは2、3人で行動し、24時間で監視の勤務を交代するという。警察官たちは、活動家たちと会話せず、活動を直接的に邪魔するわけではないが、常に一定の距離をとって張り付いている。この他にも、太地町には少なくとも2箇所、覆面パトカーが常駐している場所があり、さらに太地町の鯨博物館に正式に所属しているアラバスター氏にも、私服警官がついている。

アラバスター氏によると、活動家らはどうやら恋人同士であるという。私も、活動家たちがペアの保温カップを用い、身体間距離も近いことから、そうでないかと思えた。また、彼らはこれまでの活動家たち、つまり反捕鯨でない人々を説得しようとしたり、聞いてもないのに反捕鯨の正当性を主張してくるような活動家たちとは違い、態度が柔軟であることに注目している。視察組も、当初は緊張したものの、活動家のふたりとはにこやかに話すことができたし、次の日からは笑顔で挨拶するようになった。このような私たちの態度と、会話もせず24時間で交代してしまう警察官たちがもたらす関係性の違いを考慮せずにはいられなかった。

10時から太地町くじら博物館へ向かう。くじら博物館は、鯨のショーを伴う珍しい博物館であり、太地町にとって学術的にも一般向けにも利用価値の高い施設である。学芸員の桜井さんから、太地町と鯨漁・イルカ漁の概要についてレクチャーを受けた。個人的には、これまでの太地町の動き、移民政策や古くて新しいイルカ漁の事情などが興味深く感じた。同時に、ひとつひとつの学術的情報が、たとえば、イルカ漁が古いのか、新しいのかなど、簡単には公表できないセンシティブな問題をはらむことについての、桜井さんの配慮の深さも感じ取りながら聞いていた。

また、町長秘書の和田さんから、太地町を学術都市にする構想を中心にお話を聞くことができた。現在の太地町長は、太地全体を鯨類の学術都市とする30年構想を掲げており、その一環としていくつかのまちづくりに着手している。いわば、桜井さんからは太地町の過去を、和田さんからは太地町の未来について話を聞いたと考えることができる。この両輪の作用が、太地町民にどのように影響していくのか、そして太地町民たち自身が、どのように実践していくのかを、考えずにはいられない。

2日、再び朝4時半から漁協周辺を視察。アラバスター氏が「いさな組合」の集まりに参加している間、視察組は引き続き伊勢海老漁の水揚げ現場を視察。海老漁は、早朝に定置網にかかった網を巻き取り、漁港に設置しているテントの中で網に絡まったエビを外し、昼ごろには網を修繕し、再び定置網を仕掛けにいくという一連の作業である。視察をしたのは主に回収した網から海老を外す場面である。海老の他にもスズキやタイ、ハリセンボンなどいろいろなものが絡まっている。資源保護や公平性の観点から、網の数は6つと決まっており、他にも幅や長さ、網の穴の大きさなどが決められている。

働いている人々は、ライセンスを持っている漁業者の血縁者もいるが、アルバイトや臨時の人々もたくさんいる。ひとつのテントに4〜6人程度の人々が作業している。ある60〜70代の男性は佐賀出身で現在大阪で暮らしているが、退職してからキャンピングカーで日本中に出かけることがあり、現在はたまたま友達に呼ばれてこの海老漁を手伝っているという。前職はフェリーさんふらわあの船長で、25年間大阪と鹿児島を往復していたという。

桜井さんの移民の話とも重なるが、漁業者たち、ひいては太地町の人々は、外部と接続を絶って閉鎖的に暮らしてきたのではない。鯨漁を伝統的な生業であると戦略的に主張する一方で、歴史的・実際的には県外や海外と継続的に交渉がある。そのことは確実に、この小さな漁師町に影響を与えてきたはずである。


3日、くじらまつりを視察。クジラ祭りは海辺の漁協管理のスペースで行われ、ステージでの出し物と各ブースでの飲食物やグッズの販売がおこなわれる。いさな組合はこの祭りでふたつの重要な役割を果たす。ひとつめは、くじらの加工品の販売と振る舞いのためのブース、もうひとつは漁船パレードの運航である。ひとつめについて、いさな組合のブースでは毎年鯨の加工品の販売とクジラ肉を用いた食品の振る舞いをすることになっており、今年は「クジラ焼肉」、「骨はぎ」、「クジラの干物」の販売、そしてクジラ焼肉の振る舞いであった。いさな組合のブースは毎年大盛況であり、今年も1時間以上前から行列ができていた。クジラ組のブースはここ?と尋ね合ったり、今年は何を売るって?と並びながら確かめたりする人々もいた。間違いなくこの祭りのなかでもっとも人気のあるブースである。

ふたつめについて、漁船パレードは全12隻のイルカ漁船に子供を含めた一般人を乗せ、沖に設置された灯台を回って戻ってくるという20分ほどのイベントである。無料で参加できるが、受け付けブースに並んでチケットを入手しなければならない。今回は突発的に11隻しか出なかったようであるが、2回の運航を組み、混乱することなく終えることができたようであった。イルカ漁船は小回りが利くコンパクトな船で、実際のイルカ漁の現場について想像することができた。イルカ漁特有の道具などが設置されているが、それらについての説明などはなく、参加者たちは船にのって、走行を楽しむのみである。

外国人活動家たちふたりも、この祭りに参加していた。そしてそれに続いて、警察官たちも、私服警官たちもあとをついていく様子が見て取れた。ここで、反捕鯨団体作成の映画『ザ・コーブ』の人々と、捕鯨を守るはずの側の警官たちとの、奇妙な共通点を見て取ることができる。それは、地元の事情を知らないことによって生じる虚偽の情報やでたらめな評価を発信してしまう危険性である。

祭りのブースでは、町民が思い思いに出店し、出し物をし、楽しい雰囲気に包まれている。他方、全体のコンセプトがクジラのお祭りであるということからも、ステージでは、鯨のマスコットキャラクターを前面に押し出し、町長がクジラと関わっていくという演説をする。今年はクジラやイルカを最も愛す太地町で元気になろう、とシンガーソングライターが作ったと思われるオリジナルソングが歌われ、それに合わせた体操が子供達向けに踊られる。
このまつりは、地元の人々が楽しむかたわら、クジラやイルカとどのように関わっていくのかを発信する場でもある。太地町がどのような未来を歩んでいくのか、何らかの形で見守りつづけたい。

2019年11月4日月曜日

こっとうのこと

初めて行った岩田商店のガレージセール。

ほんとに、いろんな物がありました。
ギネスの古い形のグラスとかアサヒビールのでっかい栓抜きとかは、さすがお酒屋さん。
民芸おもちゃみたいなのとか土鈴とかがたくさんあったのが意外でした。

すっごく年季の入った取っ手付きの素敵なカゴは、売り物ではないとのこと。
たぶん、売り物だったとしても買える値段ではない感じのものでした。

値段は全部、岩田さんに聞いてみないとわからないので、高かったらどうしようと思いながら、ドキドキして聞いてみると、含み笑いで「300円」というお返事。
うーん・・・いや、安く買えるのはいいことなんだけどね。
「これは?」「300円」
「これとこれは?」「それぞれ300円」

お手頃価格でいいんだけどね。
聞くもの全部300円って・・・目が利かなすぎる。
買ってきた物を洗いながら、改めて眺めてみると、確かに、型成型で銘もない。
岩田さんのお家では、「こんな皿、いっぱいあるけど使ったとこ見たことない」とのこと。
というわけで、我が家での第2の人生、普段使いにどんどん活躍してもらいましょう。

ケーキや羊羹をのせたら素敵だなと思ったお皿。
お干菓子をのせてみました。