2021年3月4日木曜日

文楽観劇

 3月4日(水)

人形浄瑠璃を観に行きました。

一緒に行ったのは、だだ、メット、ルー、きぞく。

http://q-geki.jp/events/2021/bunnrakur2/


歌舞伎は何回か観たことがあってわりと好きで、歌舞伎に同じ演目もあるので、同じような気持ちで観に行きました。人形浄瑠璃は徳島で阿波十郎兵衛のワンシーンだけを上演しているのをみたことがあったのだけど、きちんとした舞台をみるのは、はじめてでした。


一つめの舞踊の演目では、人形がほんとに踊っていたり、足を踏みならしていたり、息を合わそうとしていたり、疲れているように見えるから、人形遣いさんの技術はほんとに素晴らしいと思いました。でも、役者さんなら1人で演じられる役を、わざわざ3人がかりで人形を使って演じるのは何でなのかな、と思っていました。


二つめは、「摂州合邦辻」です。登場人物のそれぞれの想いが交差する人間ドラマでした。これを観て、歌舞伎との違いが良くわかりました。

歌舞伎は、エンターテイメントで、ストーリーの細かなところよりも見せ場をいかに作ってお客さんを楽しませるか、ということに重点を置いている演目が多いように思います。そして、観客も役者の格好良さや美しさを観たくて、そこを楽しんでいるというところがあるように思います。私も、ストーリーとして、ちょっとつながってないのでは?とか、その動機でその行動をとるには無理があるのでは?と思うことがあっても、まあ、マンガとか娯楽映画のようにそこはこだわらずに、楽しんだらいいかなと思っていました。江戸時代だし、その辺はおおらかだったのかな、とも思っていました。


人形浄瑠璃では、1人の太夫によって、しっかりとストーリーが語られます。それぞれの想いや葛藤に裏付けされた行動が交差して物語が展開していきます。行動の裏にあるそれぞれの葛藤は語られ、伏線は回収され、ストーリーの破綻はないのです。

小説を読んでいるような気持ちになりました。人形浄瑠璃を楽しんでいる江戸時代の人々には、すでに明治以降の小説を楽しむ土壌ができていたのですね。


歌舞伎と人形浄瑠璃では、同じ演目でも重点を置いているところが違うのですね。ストーリーに重点を置くためには、生身の役者より、人形の方が良いということなんだな、と納得しました。


人々の想いが交差し葛藤をかかえつつも行動するような小説とか、謎やどんでん返しのある物語が好きな人には、人形浄瑠璃はおすすめだと思いました。

人形浄瑠璃、また機会があったら観に行きたいです。

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