25-31日アダン(裏)サミット
誰かと何日か旅をすると、旅先のいろいろな出会いもあるけれど、もともと知っている誰かについての新しい発見があったり、自分自身について改めて実感したりすることが多い。
夜のフクキ並木 |
今回の旅は、野研のメンバーだけでなく、バヌアツから来たジミーとエブリン、ジェニー、シャニン、それと与那国からのゆうくんと一緒だった。
私はまたもや遅れて参加したので、バヌアツメンバーとは、23日の海洋文化館でのデモンストレーションで初めて会うことになる。会うといってもデモンストレーションを見ている観客の一人で、とりあえず写真を撮るだけ。それはステージ上の人をただ撮っただけの写真だったのに、帰宅して見返したときには、知っている女性がバスケットを編んでる写真になっていた。
私はハツメのように体当たりでジャンジャン話しかけることもできず、女性3人の特徴なんかも他の人から聞いてるばかり。それでもだんだんとわかったような気持ちになってはくるけれど、表情をみても、楽しいのかつまらないのか疲れているのか元気いっぱいなのかわからないことが多くてちょっと困る。彼女たちに親切にしたい気持ちはあるのだけど、どうしたらいいのかわからない。
フィールドに行くというのは、こういうわからなさに囲まれるということなんだろうなと思う。今回は、自分が知っている人や女性たちの生活を知っていて言葉を話せる人がいるものだから、ついつい頼る気持ちが出てしまう。いや、たぶん、そんな人がいなくても私は何かの理由をつけてはわからない人とのコミュニケーションに尻込みしてしまうだろう。
素敵な場所。でもお天気が・・・ |
旅の中で私が他人を見るように、他人も私を見ている。
ゆうくんからよく台所にいるけど料理が好きなのかと聞かれて戸惑う。
とっさにウニャウニャと応えたけれど、良くわからない。料理が嫌いではないが、好きというほどではない。改めて考えてみれば、ゆうくんやきのこみたいに、美味しい料理を作ってくれる人がいる台所で、何かをするのが好きなのだと思う。皿を準備したり、野菜を切ったりしているだけでも、美味しいものを作ることに正統的に参加している気分になれる。
大学生のころなら、わりと好きですよと答えたと思う。さらに、自分の得意料理について何か言ったりもするかもしれない。そのくらいには世間知らずだった。
天ぷらに興味津々のバヌアツメンバー |
沖縄のソバも振る舞われた |
そんなころに、伊良部島で調査をして論文を書いた。漠然と、これからもときどき伊良部に来るのだろうと思っていた。来年とはいわないけど、いつかまた来るだろうと。いつか沖縄の研究者になるのも良いんじゃないかと思った。沖縄の伝統とメンタルヘルスみたいな研究はおもしろいんじゃないかなと。
ところが次に伊良部島に行ったのは、一昨年の池間島でのアダンサミットのときだった。驚くほどに時間が経ってしまった。沖縄の研究者には、まだなっていない。ぼんやりと“いつか”と思っていても、その“いつか”なんてやってこないのだ。
だから、今回の機会は逃してはいけないと思った。オセアニア地域の研究者でもハンドクラフトの専門家でもない私は、仕事でバヌアツの人たちに会うことはないと思うし、そのハンドクラフトを身近に感じることもないと思う。今回を逃したら、この次の“いつか”なんて来ないのだ。
子牛はぼんやり草を食べているといつか大人の牛になる |
旅の前半で、トメが一人だけ早い時間の飛行機で石垣に移動したときにも、ジミーはすぐに気がついて「先に帰った?」と聞いていた。よく気がついたなとちょっと驚いたけれど、トメはジミーの知っている人だからだろうと思っていた。私がいないことに気がついたのは、そうやってグループのメンバーに気を配るのがチーフの役割だからか、私もジミーの知っている人になったのか。
追伸:Mコーヒーのバヌアツ向けCMが早く完成するといいなと思う。そして、バヌアツで大ヒットしてほしい。いぼりP、よろしく!
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