基本、取材お断りのすし屋「小山」の取材をした。メインは青ヶ島のひんぎゃの塩を使っているシーンの写真撮影だが、9時半から12時半まで、みっちり3時間、大将の話をうかがった。
味と料理と旬の話。小山の料理の、あのたしかな味覚が、どういう思想から生まれるのか、とてもよくわかった。共感することばかりである。
そして魚の味を引き出すための塩の打ち方から、その後の扱い方まで、じっくり目の前で見ることができた。さらに酢のしめ方も教えてもらう。自分で押し寿司をつくるのが大好きな私にとっては、たまらないひとときであった。
最後に、大将の指導の下で、おむすびを握った。辻 義一直伝の古式むすび。塩の味が1番よくわかるのは米。ご飯がすべての料理の基本である。
とてもうれしいことに、小山の大将は、「野研」の食に対する考え方をとても気に入ってくれていて、このごろは旦過市場に買い出しに行くときに大學堂に立ちより食材をわけてくれる。
若い人が正しい味を覚えないとダメだ。正しい味は正しい食材からはじまる。野研メンバーはぜひそれを学んでほしい。
大将は、究極的には格式張った部屋の中でだす料理よりも、屋外でつくる料理がよいという。つまり野点である。ここも野研の思想につながる。
しかも、なんと奥能登の湯宿さか本の坂本新一郎さんとお知り合い。いろいろな偶然に驚く。今年の芸術祭や山形にもぜひ誘いたい。
暖かくなったら小倉の近くの海や山で料理会をする約束をして、お店を出た。
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