2020年3月22日日曜日

辻嘉一の「御飯と味噌汁」

小山の大将から勧められた、辻嘉一の「御飯と味噌汁」。さっそく手に入れて、読みはじめた。とても面白い。お腹がぐうぐうなる。


昔よく読んだ半村良の「産霊山(むすびのやま)秘録」を思い浮かべる「おむすび」の記述。
「湿潤で熱気のある処から生命が生まれでることは、動植物の生殖の営みにもはっきり認められます。「ひ」が霊妙な力をあらわす語だというのは、 勿論、太陽についての古代の人たち畏敬の念から生まれたものといえましょう。
握り飯という無味乾燥なことばではとうてい量り得ないものが、おむすびの中には、こめられていたのだと思います。握るというとき、私たちは片手でする動作を思います。ところがむすぶというときはどうしても片手ではなく、両方の掌を用いなくてはならないでしょう。 こうしたところにも握り飯では満足できないものが残ります。」


辻嘉一のこの本の刊行が1969年。半村良の産霊山(むすびのやま)秘録の連載が1972年。半村良は、絶対この記述にインスパイアされていると思う。

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