2022年9月4日
おかわりと二人で 北九州の少女歌劇団についての講演に行ってきました。
第1部は京都文教大学の鵜飼正樹さんの講演。
その前に、主催の八幡図書館に展示されているパネルを見学に行きました。
「これね、好きで見に行ってたのよ。」と80代の女性二人組。
小柳少女歌劇団の夢里かほるさんのファンだったとか。展示されている新聞の記事に夢里さんの写真があって、スッとした美人で男役がよく似合う人でした。記事には「男装の麗人」と書かれていました。
「この『男装の麗人』が好きだったのよ。だから今は宝塚を見に行くの」
団長の小柳美代子先生が宝塚に勉強に行って、公演内容を決めていたのだとか。八幡製鉄所の家族向けに1週間の公演があって、1回は家族として入れるけど、何度も見たいから、劇場の前で待っていて、係の人に頼んで途中から入れてもらったとか、練習場まで見に行ったとか、サインをもらいにお家を訪ねたとか、「中学生だったから」と言われますが、いやいやファンの情熱はすごいです。そして、そのころの八幡の経済と文化が華やかだった様子が伝わってきます。
「こんなの今さら取り上げられるなんてびっくりよ」
会場に入ってからも、別の女性が熱心に自分も見に行ったんだという話をしていました。そして、小柳少女歌劇団は、他の劇団と比べて洗練されていたように思うと。
鵜飼さんの講演では、大正時代の浅草オペラの話から始まって、戦後の小柳少女歌劇団話まで。嘉穂劇場の演劇年表をエビデンスに当時の小柳少女歌劇団の人気ぶりについて説明されるとなるほどと納得してしまいました。
2部は、小柳少女歌劇団の女優さんだった女性からの聞き取りを元にした演劇。
講演終了後、当時の様子を熱心に鵜飼さんに情報提供されている男性がいらっしゃいました。でも、図書館で出会った女性も、客席で熱心に話していた女性も、鵜飼さんには話しかけずに帰られた様子。
ああ、せっかくの貴重なお話なのだから、鵜飼さんに伝えてください。
本人たちは気づいていらっしゃらないかもしれませんが、劇場で体験していたその熱量こそが、一番大事だし、おもしろいところなのではないかと思います。
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