緊張の初上映 |
なんとかかんとか映像を仕上げて、初めての東北大学へ。学会の事務局はあまりにひどい対応で、プログラムに載ってない教室で上映されそうになった。いろいろ言いたいことはあるけど、とりあえずは上映ができ、まずまずの人数に観てもらうことができた。
自分で撮って、自分で編集した映像を作品として観てもらうのは初めてだ。なんだか緊張して、昼食用に買って来たコンビニ弁当を開封することすらできなかった。やっぱり直接反応が見れるのはいい。みんなが映像をみていることを意識すると、「ああ、この場面はやっぱり長すぎるな」とか、「これだと意味がわからないよな」ということがより客観的に感じられる。そして何より、観た直後にもらえる意見はありがたかった。おかげで、事務局の対応への不満も、溜飲が下がる思いがした。
衝撃価格 |
上映を終え、晴れ晴れとした気持ちで鶴岡へ向かう。途中、パソコンで「サガエ」と打つと必ず「寒河江」と変換され、どこの地名だろうと思っていたその場所を発見!寒河江サービスエリアでサクランボの値段に衝撃を受けた。
寒河江を超え、山から山を抜け、最後に月山を超えると、庄内平野にでた。まだ見ぬ(しかし話にはよく聞いていた)ガンガンポッキーなる人物の家に到着し、家主が帰る前に食事を始める。そのうちポッキーが帰ってきた。
ポッキーんちのいちご |
ポッキーは噂に違わぬ人物で、すごい量の豆を作ったり、鶏を育てたけどイタチに全滅させられたり、朝からカレーを作ったり、何かとガンガンで面白かった。さすが元探検部。色々気にしない感じもこれまで会ってきた探検部の人たちとよく似ていて、家もなんだか居心地が良かった。
ポッキーのゼミ生も一緒に食事 |
翌日は、ポッキーの案内で致道博物館へ。外観よりずっといろんなものが展示してあって、全部見ることはできなかった。
圧巻だったのはこの「ばんどり」 これは月山ビジターセンターのもの。現役で活躍中か |
時間がなかったので早々に切り上げ、山形大学へ。ポッキーのゼミ生と合流し、ヤギを飼っている蕎麦屋で昼食をとって、庄内藩士たちの開拓地、松ヶ丘開墾場へ。ここでまつりあげられていたのはなんと西郷どん。「ええ、こんなところで」と思いつつその経緯などを聞いて、やはり政治家西郷だなと納得。開墾場は、お蚕様と共に一度潰れかけたようだったけど、観光地として復活していた。お茶の栽培など色々新しいことを試しているようで面白かった。
茶の木を見ると摘む人類 |
その後、ポッキーが「太陽のような人」と評す江頭さんと、「あねちゃの店」で合流。この店は奥田さん御用達の店で、訪れた時にも「今山から降りてきました」みたいな感じのお兄さんが山菜を仕分けていた。
江頭さんがろくべいを作ってくれた。奥はさっき摘んだお茶 |
食材を調達して、江頭さんがかつて居候したというロッジへ向かう。夕飯を作ると、江頭さんとダダは茶揉み対決を始めた。ポッキーは酒を飲み始めた。
机があってもカウンターに立っておしゃべりする人類 |
おいしいものをたくさん並べて、おいしいお酒とお茶も入れて、夜更けまでお話しした。ポッキーとダダの絡みは20年ぶりとは思えない感じで、遠慮も気遣いもなく清々しい。一方江頭さんは北九州にきた時と同じく、次々と食べ物の雑学が出てくる。相手の話もよく聞いてくれるし、興味のアンテナが人一倍広い感じがした。この宴会に参加するだけでも、充分鶴岡に来たかいがあったと思う。
「よみがえりのレシピ」聖地巡礼 |
翌日は、映画「よみがえりのレシピ」に出て来た焼畑地を見て、クラゲで有名な加茂水族館へ。ここは、来館者がどん底まで落ち込んだ後に、クラゲでV字回復した水族館だった。
江頭さんオススメの加茂水族館。一度は行くべき |
クラゲを使ってやりたい放題という感じで、海の厄介者だと思っていたクラゲにこんな可能性があるのかと面白い。もう失うものが何もないってとこまで落ち込んだ水族館だからこそこういう思い切ったことができたのかな。一日中クラゲを眺めていられそうだったけど、本命のアルケッチャーノに行かねばと、出発する。
クラゲばえスポット |
アルケッチャーノで奥田さんに会うことはできなかった。でも奥田さんの店というよりは、チームでやっている感じのお店だった。そして奥田さんは思った以上に有名人で、露出の多い経営者のようだった。
!? |
ウェイターさんの華麗な説明を聞きつつ、そこに江頭さんの流れるような解説が加わり、味以上に豪華な昼食となった。旅をしながら映画の場面が再現されていく。これが、映画の聖地巡礼というやつか。
いろんな料理が出て来たけど、結局こういうのが印象に残る |
奥能登で再開する約束をして、江頭さんとダダとはそこで別れ、野研メンバーはオススメされた出羽三山神社の五重塔をみに行った。塔は観光地になっていたけど、山の中を気持ちよく散策できた。
茅葺用の茅が保存してあった |
その日はもう一度ポッキーんちで泊まった。今回、ポッキーには本当にお世話になった。ありがとう、ポッキー。
次の日はいぼりを飛島行きのフェリーに送って、江頭さんオススメのカフェ「コフィア」に。
飛島行きフェリー。ギリギリ間に合った |
学生時代に京都のカフェはほとんど巡ったという江頭さん、紅茶にコーヒーに、いちいち情熱がすごい。この「コフィア」、伝説の吉祥寺のカフェ「モカ」のお弟子さんがやっているのだという。そして、そのお弟子さんはもう彼ぐらいしかいないのだとか。店内は、映画やドラマにでてきそうな古いカフェといった感じで、店主はこだわりが強すぎて超頑固。あまりにステレオタイプな日本の古い「カフェ」で面白い。
「こだわりのコーヒー店」という表現は陳腐化してしまったけど 本当はこういう店のことを言っていたのだな |
味は、コクも苦味も強くてめちゃくちゃ濃いコーヒーだった。はなればなれコーヒーが目指しているところとも、よく似ているのではないかと思った。2回ほど質問したけど、まともに話してもらえない。そして3回目の質問の後、怒涛のコーヒー哲学講義が始まった。コーヒーの歴史から始まって、ネルドリップでしか出せないコーヒーエキスとそれを最大限抽出するための焙煎の話をしかけたところで、常連のマダムが入って来た。飛行機の時間が迫っていた私たちは、もっと話を聞きたいと思いつつ、それを機になんとか店を出たのだった。帰りの車内でトメと今しがた味わったコーヒの話で盛り上がりつつ、三日間の山形滞在を終えた。
次々おいしいものが出てくる、豪華な旅だった。映画の聖地巡礼もできたし、コーヒーもクラゲももバンドリもみた。何より、伝説のガンガンポッキーに会えたし、江頭さんとも仲良くなれた。
でも鶴岡は一度では味わい尽くせないところだったし、海もポッキーと潜りたいし、これは・・・いずれまた行かねばなるまい。
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