古文が好きだったのは、ちいさいころから百人一首になじんでいたからだと思う。反射神経もにぶく、記憶力にも自信がない私は、カルタ取りの世界にはまったく向かなかったが、普段から古典を原文で読んだりしていたので、英語よりもずっとたやすく、ほぼ現代文と同じように読めた。なので、高校の古文の成績は、飛び抜けてよかった。
理系の道に進もうとしていた私は、大学受験ときも全国で(たぶん)唯一、2次試験の国語で古文の問題を選択できる理学部を受けた。そしてもちろん古文を選択した。
そんなわけで「ちはやふる展」を見に行った。「ああ、このごろこういう世界から遠ざかっているな」と感じた。古文を読みながら、昔の人たちの心にひたる耽美的でちょっとおたくチックな時間。でもまあ、どちらかというと好きだったのは、王朝物よりは今昔物語集の本朝世俗篇みたいな、民俗説話なのだけどね。
この頃はそんな時間がとれないのがよくないと思う。高校のうちは岩波文庫の古典ものとか、角川文庫の黄色い背表紙の本とか、講談社学術文庫とか、手に入りやすいそんなのから初めて、大学の頃は平凡社の東洋文庫とか趣味で読んでいた。平安文学から江戸の戯作や古典落語まで、いろいろね。よく読んでたのは「堤中納言物語」「とりかえばや」「とわずがたり」(やばいよね)とか白石の「折たく柴の記」とかかな。
でも、この頃はあれかな、文楽ね。文楽の面白さは、最近になるまで知らなかったので、今、絶賛はまり中。
0 件のコメント:
コメントを投稿