2019年2月23日土曜日

玉水酒造

大阪の出張帰りに小倉を素通りし、野研のメンバーと合流して、みやまの玉水酒造を訪れました。


今年の酒造りの勉強のためです。


今では珍しくなった木製の槽をつかっての搾りです。


作業の邪魔にならないように、手伝いながら手順を教えてもらいました。


小さな蔵ですがここの「神力」は、しっかりとした佳酒です。

民俗知の具現

俳句や原点は自然暦であり、そこには博物学的な民俗知や自然予知がこめられている、というのは敬愛する篠原徹氏が著書「自然を詠む」で主張している卓見であるが、きのう訪ねたこの養蜂場の風景は、まさにその自然知の実践を具現しているように感じた。


そして、このボードには、どこか今和次郎の考現学をおもわせる、独特な味わいがある。


わくわくするね。


野研の学生たちよ、学問というのはこういうところから始まるのだよ。


私もこういう研究がしたい。

とよとよ・みつばち倶楽部パンフ

とよとよとみつばち倶楽部の新しいパンフレットがができあがりました
画像と印刷用のファイルは以下のリンク先から。





とよとよパンフ印刷用
https://yaken.apa-apa.net/pdf/toyotoyoL.pdf



2019年2月19日火曜日

類とも

ホテルに戻り、休憩。
どこかで夕飯を食べないといけないよねえ。
部屋でニュースを見ながら二人で話をして、また、外に出る。
どこで食べようかなあ。

岩田さんの後をついていって、あっちへ行ったりこっちへ行ったり。
「やっぱり僕がいた頃と比べると、いろんなものが変わった」と岩田さん。
三平ストアという店。100円ショップのはしり。
なにもかも安い!
アカシアというカレー屋。カレーはさっき食べた。
コロッケがおいしそう。これも安い。
DUGというジャズバー。ダグと読む。地下のお店。
階段や壁にめいっぱいシールやライブの広告が貼られている。

なんだか足取りが軽い岩田さん。
実は上の3つの店は、岩田さんが学生時代からあったという。
歌の先生の授業を受けたあと、その先生とよくご飯を食べに店に通っていたようだ。
「あのときのまんま!」と笑顔の岩田さん。
少しは変わらないものがあってもいいよね

右へ左へと歩きまわり、「ライオン」というビアホールで食べることにした。
2名禁煙席と伝えると、地下1階へ案内された。
重い扉を開けると、さすがビアホール。お客さんはみんなお酒を飲み、
がははと談笑している。

テーブル席に座り、私はからあげを注文した。
岩田さんはソーセージとサラダを注文。
私たちの横では、3人の男女がピザを食べていた。
おっとここはビアホール。お姉さん、大ジョッキ2つ。

最初にサラダが運ばれてきた。
生ハムとレタス、春菊にちょろっとドレッシングをかける。
少しの苦みと、しょっぱさがおいしい。

サラダを食べ終わると、しばらくしてソーセージと唐揚げが運ばれてきた。
もちろんビールも。キンキンに冷えてやがる!
唐揚げは4つほどだが、それぞれとても大きい。ビールが進む。岩田さんはもう飲み干している。

パチンっと指を鳴らす人がいた。となりの人だ。どうやら頼んだビールがまだ届かないようだ。実は岩田さんももう一杯注文したが、いまだに来ない。
ビールが届かない者どうし、仲良くなるのに時間はかからなかった。
男)「昨日知り合ってれば僕のコンサート誘ったのに~」
岩)「えっ!僕もコンサートやってるんですよ」
男)「あ本当。なんの弾き語り?」
岩)「いや、僕はもともとバリトン」
男)「あそうなの~へえ~いや、あのね、僕はね、ラテン!ラテンの曲をギターで弾き語 
   りしてるんだよお~~ところであんた、ぼっちゃんだろお?僕もぼっちゃんだから     
   分かるよお」
ビックリ。分かるもんなんだなあ。類とも。
岩)「ここ、ちょっと時間かかるねえ」
男)「ねえ。銀座の本店だったら、椅子に座った瞬間でてくるよお。」
岩)「本店だからねえ」
「酒飲みはせっかちだから、なるべく速くお酒を出すことが大事」と二人から教わった。
男性は岩田さんに、しきりに何かを渡したがっていたが、岩田さんは丁寧に断り、会計を済ませた。さてさて、次のお店~






亡命

ニモかを作ってもらっていたから、電車はすすいのすい。
東京駅から新宿駅までの電車には、いろんな人が乗っていた。
ホテルの部屋に荷物を置いて、昼食へ。


おいしい天ぷらを食べる予定だったのに、
運悪く「当店本日工事中」
しかたないから、「中村屋」というカレー屋へ。

荻原碌山の「坑夫」
ほんもの

中村という人は美術家や彫刻家、画家にお金を支援していた。
インドから亡命してきた男の人を屋敷にかくまい、自分の娘と結婚させたらしい。

急に「亡命」なんて言葉が出てきたから少しむせた。
デミグラスオムライスをもぐもぐ
ソースの中に、柔らかくなったお肉が埋もれている。
しょっぱいピクルスを途中にはさみながら、ライスと卵とソースそして肉をほおばる。
肉がくずれるのと同じように、
新幹線と電車に閉じ込められていた体から、
疲れがほろほろと溶けていく。

岩田さんはインドカレーを食べていたが、私に半分も食べさせてくれた。
思ったほど辛くはない。
どんどん食べられる。
まだイケるぞ。あれ。
気付かないうちに、舌に辛さがつみ重なり、一気に解き放たれた。
水水水

なんとか落ち着いたところで、プリンアラモードを注文。
朝ドラに出てきそうな雰囲気のお店。
となりの夫婦は法律やらおカネやらの話をしていた。
あんまり聞かないでおいた。

漫画に出てきそうな丸眼鏡のウエイトレスさんがデザートを持ってきてくれた。
メニューの写真からはよく分からなかったが、
プリンはもちろん、レーズンやイチゴ、パイナップルにサクランボ。
バニラアイスを隠れ蓑にしていたフルーツ。
けっこうお腹にくる。しかしひんやりしていておいしい。
ごちそうさま

摩天楼!スカイスクレイパー!!

城島酒蔵びらき2019に行ってきました

久留米市の城島町とその周辺の蔵が蔵びらきをするお祭り。
いってしまえば、それだけのお祭り。
回を重ねて25回目らしい。

野研の人達と参加するようになって4回目、レギュラーメンバーは、かしらと私。準レギはいぼり。

今年は初めてのことがいくつか。
はじめて西鉄電車で行きました。
天神駅でメイン会場で使える割引券と蔵びらきパンフレットがついた往復切符を買って、出発のホームへ。日曜の朝の下り電車がこんなに混んでるのなんか見たことないです。
そして、人々の手には同じパンフレット。
さらに、折りたたみのイスやテーブルを持っている人も。
自分だけの角打ちを作るつもりのようです。

はじめて旭菊に行きました。
一昨年くらいからすごく美味しくなっているという評判の蔵。メイン会場では飲んでいたけど蔵に行くことはなかったので、期待して行きました。
期待しすぎたかも。

はじめて日曜日にメイン会場に行きました。
土曜日はあんまり天気が良くなかったこともあってか、とにかく人が多い。
チケット制の試飲コーナーは、Aは1枚、Bは2枚、Cは3枚とランクわけされていて、Cコースは長蛇の列。
2日目の午後、すでに比翼鶴の連理は品切れだとか。
12枚つづりのチケットなので、飲めるのは4杯。
注いでもらったらすぐに列の後ろに並び直して、飲みながら待ちます。
持って来たスモークチーズやナッツをつまみながら飲んでいると、次を注いでもらえるというシステム。
いいけど、落ち着かないね。

ということで、毎年行く池亀の有料角打ちへ。
2日目の14時くらいということで、お酒がほとんど売り切れている。すごいな。かしらが買ってくれた1本を開けて、持参したおつまみを食べながら、進路相談。夜間だと6年かかるの?長いねぇ。

例年通り、酔っ払いばかりなのに穏やかなお祭りです。
ただ、人が多いので落ち着かない。たぶん今年は例年より多いんじゃないかな。そして、キャパを越えているかもしれない。
いぼりが楽しみにしていた志岐かまぼこの揚げたて天ぷらも売り切れていたし。

ピクニック気分で飲むのは楽しいんだけど、やっぱり、美味しいお酒を落ち着いて飲むのが、いいね。アウトドアでもインドアでも。

2019年2月18日月曜日

おっかねえ

窓に置いたタバコが、倒れない。
そんな台詞が、かつての新幹線にはあったという。
そんな話を聞きながら、チョコレートを食べる。
かわいい箱に入った3つのチョコレート。
栗をまるごとチョコレートでつつんでいる。
とことん甘い。3つのうち1つを岩田さんが食べ、のこりを食べる。

めっちゃ甘い

新幹線に揺られながら・・・だったが、途中から新幹線が揺れることはなくなった。
車内販売のお姉さんが横をゆっくり通り過ぎた後、
岩田さんはかつての岩田酒店の商売について話してくれた。
電車で売れるお酒はかなり儲かっていたらしい。

「スーパードゥラアァイ!」のアサヒはかつて、吹けば飛ぶような、
よわい会社だった。
このとき調子に乗っていたのがキリン。全国の店に
「〇トントラックが入るような倉庫を持ってなきゃ酒はやれねえな」とか、
横柄な態度だったらしい。
倉庫を持つには土地が必要!
そこで、あちこちのお店は慌てて土地を購入。
借金をして購入するお店も少なくなかった。

しかし

土地の値がガラガラと音を立てて崩れた。
商売は成り立たず。
倉庫のための土地は持っていかれた。
家も持っていかれた。
膨らんだ借金だけは置いていかれた。

小さな会社の事務員がいた。
その人が、かつて酒店の主だったことはだれも知らない。


では、岩田さんのお父さん、2代目はどうしたのか。
慌てなかった。
その生涯において、借金をつくること決してなかった。
土地を慌てて買った矢先、何も残らなくなることを予知していたのかも。
「そのおかげで、今の僕の生活がある。親には感謝してもしきらん」


岩田さんが店を閉めたときの話も聞いた。

店をたたむ準備を始めるとすぐに、
「税理士」を名乗るあやしい人物が何人も現れた。
ストレスで岩田さんは激痩せ。
結局、博多にあった店の後をすぐに買ってくれる人がいてくれたことで、
おかしな金のいざこざが起きることはなかったらしい。ホッ。
ヤツらはあの手この手で言い寄ってくる。
「商売や法の裏道をよく知っているから、怖い。」
相当苦労したようだ。




おっとそろそろ品川。次。品川の次で降りるんだ

2019年2月14日木曜日

酒蔵お掃除2日目 午前

夜は相当冷えた。寝る直前までヒーターをつけていたけど、
電源を切ったとたんにみるみる冷えていく
ある意味、金沢ぐらい寒い
(金沢では暖房のきいた部屋に隔離されていたからまだマシ)
目を覚ますとまだ暗い。
「5時ぐらいか」と思って時計を見ると8時半
跳び起きた

岩田さんが来る前に蔵中の扉を開ける。
昨日習った手順であちこち開ける。


朝食は岩田さん手作りのヨーグルトサラダとクッキー。
プレーンヨーグルトの中に
バナナ、キュウリ、リンゴ、トマト、岩田さんのレモン、クルミ、オリーブオイル少し。
でサラダの完成
さっぱりしていておいしい。
岩田さんは2年ほど前から、朝はパンをやめて、このヨーグルトサラダと決めている。
そうして、すこし体重が落ちたらしい。



今日は、庭の手入れ

ヒビが入った鉢や壊れた鉢を見つけ次第破壊する
もう雑草しか生えていない鉢を発見した場合、鉢からは土ごと強制退去
その鉢に傷がある場合、もちろん破壊
やせた土も残らず処分
空のプラ容器も強制連行
ガラス製品は問答無用で破壊
傷の無い鉢は大きさで分けて、隔離

といった具合。がんばろ。


発見した鉢を集めて、

粉砕
金槌で破壊
叩きつけて撃破
放り投げて崩壊
ちょっとたのしかった

ほぼ丸一日、見つけては破壊、見つけては破壊を繰り返していた。
酒蔵は交差点のすぐ近くだから、必ず車が庭の前に停まる。
おい。変な目で見るんじゃない。

お昼は「ひたや亭」で。
ここは、土曜のコンサートの後にいつもいくお店
皿うどんがうまい。
ちょろっと酢をかけるとなお美味い。

しかし、今は昼。
中のお店は昼休みの大人たちでいっぱい。
最近はネットを通じてこのお店を知った人もやってくるらしい。
漫画雑誌を読む若者、
親子連れ、
スポーツ新聞を読む初老の人、
厳しい顔でチャーハンを食べるスーツを着た人(めちゃくちゃ美味そう)
絶対地元の人じゃないよなって分かる人たち、
いろんな人たち

どうしようかと迷ったけど、やっぱり皿うどん。
あつあつのあんがかかった野菜。
あまり目立たないけど、こりこりしたキクラゲ。
一皿に4、5匹しか入っていないエビ。
パリパリとフニャフニャの中間にある麺。
ほのかに香り、そしてときおり強く現れる酢。
最高

隣に座っていた猛者は、チャーハンと、大ライス。
飯のおかずに飯か・・・!最高

厨房の奥で、主人があっちこっちしながら料理をこしらえていた。
今日は土曜みたいにいろいろお喋りはできないな
水を一杯飲み干し、店を出た。昨日より寒い。

酒蔵に泊まる

酒蔵に泊まる。ひとり。よく考えたら、昼間に灯りをともしていても暗い。
夜は相当暗い。
音もほとんど聞こえない。蛇口から水が漏れる音ぐらい。
でも、
初代と2代目が見守ってくれるから安心

仏像が見守ってくれるから安心

読めない



まっくら

戸締りをするとき、へやのあちこちの扉の仕組みを教わった。
よくできた仕掛けだった。

酒蔵をお掃除 午後

静かな商店街を通り抜け、酒蔵に戻る。
そうして、ピアノの部屋でお菓子とお茶をたしなむ。
この部屋は冷えるから、暖房をつける。
やっぱり、少しあたたまったほうがピアノは弾きやすいし音がいい

う~ん初見はいつになっても苦手

ゆっくり休憩したあとは、ついに・・・2階へ

2階への階段

かっこいいタンス

神々しい


2階は本や服がおいてあった。
楽譜もたくさんたくさん。

夕方になると、大西さんというお客さんが。
かつては、岩田さんのコンサートで受付をしていたらしい。
ピアノの部屋で3人で談笑した。

酒蔵をお掃除 午前

日頃お世話になっている岩田さんは、「管理が大変」という。
そ・こ・で!私は酒蔵のお掃除と庭の手入れをすることにした。

はじめに、床・廊下を拭く。とことん拭く。
ここを拭く

どんどん拭く

まだまだ拭く

もっともっと拭く

中庭で祠を発見!

どんどん拭く

床と廊下を拭いただけだけれど、新しい雑巾が3枚ほど殉職した。
「ディーゼルの燃えカスだらけ」と岩田さんはいう。
まっくろくろすけでておいで

床掃除が終わると、岩田さんと昼食。
栄町商店街の洋食屋へ。

ニューラッキー!

ここの商店街は広いし、地面(タイル?)はきれい。横から入る道もある。
港だって近いのでは。
お客さんいっぱいいてもいいのになあと思う。
「今日は祝日だから閉まってる店が多いんですか?」
「う~んそれもあるけど、平日でも2軒に1軒は閉まっとる。ほら、あそこ」
と岩田さんが指さす方をみると、そこは駐車場。
「まえは店があったけどつぶれたんや」



2019年2月8日金曜日

雪に耐えて梅花麗し②

大宰府天満宮へ。

うーん。監視カメラ。うーん。
(どこかわかるかな?)


和服だ!!

緋色と金色

ひとけのない裏

ひとけのない横

歌人の句

和服だ!!2

ピントがあってない

お石茶屋
岩田さん曰く
「窓を替えたほうがいい。外から見ると閉まってるように見える。暗い。」

ヘビの顔みたいですね

自然のふりかけ

写真撮影を楽しむ親子

閑散としていた



この後、九州国立博物館にて開かれている
「醍醐寺展」へ。
全て写真撮影禁止だったから写真はなし。

不動明王とか、お坊さんの画とか、いろいろ。
名前が長かったから覚えていないけど、
牛に乗っかってる鬼神の像だあった。
鬼神はおっかない顔をしてたけど、
牛の顔は、意外にも可愛かった。

古文書の展示にて
岩田さん「これの数行だけでえらいな金になるんよ。国宝とか」

仏像の展示にて
岩田さん「この時代の仏像は肩がやわらかいね。脱力というか、優しいというか」

岩田さんは展示を眺めながら
「すごいなあ」とか、「大したもんやなあ」とか、
たぶん、ほぼ全部の展示に感心していた。
素直なこころ。
見習う。