北方シネマ スタート!
4月28日(金)
日本初の大学の中の映画館、北方シネマがオープンしました。
ちょっと早めに着いたら、フラリと地下のパーラー(通称:地下パー)によって、おからカリントウを入手しましょう。しっかりした歯ごたえと、やさしいお味が特徴です。
受付で入場料を支払ったら、パンフレットやDVDの販売コーナーをひやかして、いざ、劇場へ。
お席は自由。前方真ん中あたりの席がおすすめ。
上映作品は「スタートライン」
聴覚障害のある監督が自転車で沖縄から北海道まで旅をするドキュメンタリー。
伴走者で撮影担当の哲さんから監督への叱咤が観ている人の心にもズンズン突き刺さります。
この映画は字幕がついているので、聞こえない人も手話がわからない人も同じように笑えて、同じようにハラハラできます。
終了後は監督のトーク。
司会は、手話ができる臨床心理士の井料美輝子さん。普段は、聴覚障害の支援学校でカウンセラーをされています。
手話でお話しする監督の横で 「日本縦断中」のハタを持っているのが司会の井料さん |
ステージ前に要約筆記のみなさん。
ステージと正面の客席に手話通訳の方々。
要約筆記のみなさんは、それぞれのパソコンと手元を照らすライトをセットして入力しています。かっこいい。
ステージ上にも手話通訳の方 |
トークの内容は、映画への監督の思い、映画に出てきたウィルと哲さんの現在、次回作の構想と広がっていきます。
フロアからの質問で監督の将来の計画も聞くことができました。
上映前に、お昼に小倉入りした今村監督と大學丼と関門海峡散策をご一緒しました。
源平合戦と関門橋と監督 |
大學堂では、今村監督がFMラジオのパーソナリティのはるちゃんの取材を受けました。3人で大學丼を食べながらの取材です。
「ラジオで曲を流したいんですけど、監督の好きな曲は?」というはるちゃんの質問にも、監督は丁寧に答えていました。え?聴覚障害のある人に、それを聞くの?とドギマギしたのは、私だけでした。
お刺身、ぬか炊き、パン巻、唐揚げ、卵焼きなどギュウギュウ詰めの丼 |
監督のリクエストで関門海峡の人道トンネルを歩いて渡ります。下関の関門ワーフで、井料さんと合流予定です。
人道トンネルの入り口に近づくと、「ここ、自転車で走りました!」と監督。
「ここでおじさんに話しかけられました」
「ここで止まって、哲さんがおじさんが英語で話してたよって教えてくれました」
井料さんからの情報によると、門司側と下関側にスタンプが置いてあって、それを台紙に押して、観光案内所などに持っていくと関門海峡を歩いて渡った証明書をくれるとか。監督は、張り切ってスタンプを押しています。
「自転車で渡ったときには、こんな余裕はなかった」
と振り返る監督。改めて映画をみると、この辺は、休みなく走り抜けているんですよね。
「とにかく自転車で走るだけで必死だった」と感慨深げ。
証明書をもらって笑顔の今村監督 |
いろいろモタモタしてしまって、イルカショーの時間には間に合わず。関門ワーフで生のフルーツをつかったソフトクリームを食べて帰路に。
帰りはフェリーにしました。
帰りは楽ちん |
監督と過ごしてみて感じたことは、監督がすごく普通のマジメな人だということでした。
フツーの人がフツーにダメな自分と向き合い、ほんとは隠しておきたいような自分の姿を、監督としてのプロ意識と半ばやけくそのような気持ちとでマジメに編集してできた作品だから、いろんな人達の心に響くのではないかなと思いました。
上映の後に増永さんが、監督の編集の技術とセンスのことを言われているのを聞いて、なるほどなと思いました。たくさんたくさんある映像をどう切り取って、どういう構成で見せるか。それはつまり、何を表現したいのか、観る人に何を伝えたいのか。たくさんのデータの中から何をつかって、何を解釈して考察するのかが研究の問題なのとおんなじですね。
そして、良い作品は、多くの人の心にストッと落ちて、何かを伝えることができるのです。
必要なのは、知識と技術、センス。自意識や強すぎる思いが良く影響することがある反面、邪魔になって作品を台無しにするリスクがあることも同じかもしれないと思いました。
(きぞく)
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